2017年現在の歯医者さんの数は約69000施設、コンビニの数は約55000件となっています。
そういうことを意識して周りを見渡すと、確かに歯医者さんの看板が多く目につきます。
このように歯医者さんが増えたのには、さまざまな要因があると言われています。

まず、一つは国の政策に関わることです。
人口が増えた1960年代の高度経済成長期に、食生活の変化などにより虫歯になる人が増えたため、歯医者さんが足りない状態になってしまいました。
そのため国は歯科医師の養成に力を入れる政策を打ち出し、多くの歯医者さんが歯科養成大学から輩出されることとなりました。
そのような時代背景のなかで歯学部を卒業した歯科医師たちは、他の診療科目の医師よりも、大学病院や総合病院などに勤務できる人や研究職として残れる人が少なく、自ずと開業医として患者さんと接するようになったのです。

右肩上がりのグラフ

また、歯科以外の診療科を学ぶ医学部の定員が約9000人なのに対して、歯科だけを学ぶ歯学部の定員が約2500人なので、開業医のなかで歯医者さんの占める割合が突出して高くなってきます。
歯医者さんが増えたのに対して、少子化などで人口が減り始め、また歯や口腔の衛生教育が行き渡ってきたこともあり、全体として虫歯などにになる人は減ってきています。
そのため、患者さんの取り合いのような現象が起き、ますます歯医者さんが多いというイメージが印象づけられてしまっています。
また、歯医者さんの分野が広くなり、虫歯や歯周病の治療を中心におこなう一般歯科のほかに矯正歯科や審美歯科などといった専門的な治療をするクリニックが登場するなど、分業化的な傾向も見られ、その分あちらこちらに歯医者さんがあるように見えることもあります。

最初の歯医者さんはいつから?

現代に近い形の歯医者さんの始まりは、明治初期とされています。
もちろんその時にはコンビニはないので、歯医者さんの数がコンビニより多く、実はその後1970年代にコンビニが登場してからも、ずっと数は上回り続けているだけということです。
コンビニの進出の勢いが目覚しく、都会ではいろいろな店舗が密集していたり、郊外ではこんなところにまでと思うようなところにまで店舗があったりと、とにかく増え続けていると理解されている中で、歯医者さんがコンビニを追い抜いて増えているという捉え方をされることがあります。
しかしそうではなく、はじめから歯医者さんの方が数が多かったといわけです。

コンビニと歯医者の歴史にも差がある

コンビニと歯医者さんの日本での歴史の差は、発祥時期の違いであり年代の差ということがいえます。
歴史の深さが違うのにコンビニの増え方がいかに凄まじいかということです。

日本での歯科医療の始まりの歴史は、広義には平安時代の大宝律令の医療制度に登場するものであり、狭義には日本最初の歯科専門医といわれる明治時代に活躍した小幡英之助からとされています。
コンビニの歴史の始まりは、1927年にアメリカで開店した後のセブンイレブンとなるお店だといわれています。
日本では1962年に鉄道弘済会が国鉄多治見駅に開いた店舗が最初という説があり、また、1972年に狭山市に開店したファミリーマートの実験店とする説、1974年に江東区に開店したセブンイレブンの1号店とする説があります。
しかし、思わぬ共通点があるという興味深い視点もあります。
昔は虫歯などの歯のトラブルは現代より少なかったとされていますが、虫歯の治療といえば抜くことでした。
しかし、西洋医学の歯科治療が入ってくることによって歯科学は劇的に変わり、抜かずに治療するということが一般的になってきます。

また、日本の商店は、朝開店したら夕方から夜の早い時間に閉まるというのが普通でしたが、高度経済成長期にアメリカから日本に入ってきたコンビニは、早朝から深夜まで営業するという今までにないかたちで、あっという間に日本人のライフスタイルを劇的に変えたといえます。
どちらも外国から入ってきて、日本人の生活に劇的な変化をもたらしたと存在となっています。

歯医者のニーズも変わってきた

行き交う人々

歯医者さんは、新しい知識や技術の進歩で、より快適な治療、安全な治療ができるようになりました。 最近では、治療する前に予防するという観点で患者さんの健康生活をサポートする考え方が広がってきています。
コンビニは、忙しい現代人のニーズにより応えるべく、インターネットの発展などで眠らない街となっている時代背景を踏まえて24時間営業が主流になっています。
患者さんのために、お客様のために変化していくという努力という点でも、似ている面があります。
歯医者さんにとってもコンビニにとっても、人口が減少しつつある中で施設や店舗が増えているという現実は、なかなか厳しいものに違いありません。
歯医者さんにとっては、常に新しい知識を取り入れることや技術を磨くこと、コンビニにとってはより良い品揃えや良心的な価格など、常にニーズに合わせた進化を遂げながら、サービスの向上など他との差別化をしていくことが求められています。