虫歯は遺伝するの?しないの?

歯の話になるとついつい自分の生活を顧みる人も多いでしょう。
親からの遺伝、と考えている人もまだまだ多いようですが、実は虫歯は遺伝することはありません。

虫歯は口の中の菌が食べ物から作った酸で歯の表面のエナメル質やその内側の象牙質をう蝕することで起こります。
その菌の代表的なものが虫歯菌の異名を持つミュータンス菌です。

この菌は生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には存在しません。
虫歯菌の感染経路は唾液です。
周囲の大人の9割はミュータンス菌がいると言われ、その大人たちとスプーンや箸を共有することで感染していきます。
現在は知識を持っている人の数も増え注意をしている人も多いですが、かつては硬いものは周囲の大人がかみ砕いて与えていた時代もありました。
口の中に入ったミュータンス菌はその中に棲み続け、完全に排除することは困難といわれています。
赤ちゃんを迎えるにあたっては周囲の大人たちは歯科受診をして治療をし、口の中の細菌を減らしておく必要があるようです。

虫歯になる原因はたくさんあります。
虫歯は遺伝しないと言いましたが、虫歯自体は遺伝せずとも「虫歯になりやすい体質」は遺伝することは証明されています。
唾液の質や歯質という問題です。

親が虫歯だから自分も虫歯であるのは遺伝、等と思っている人もいるかもしれませんが、それは遺伝ではなく生活習慣によるところが大きいでしょう。
食事の時間であったり、甘いものが好き、だらだらと食後にも間食をしながら過ごす等、生活習慣の乱れや環境は子供たちも同じような生活をすることが危惧されます。
虫歯になりやすい歯質の人は特にそのことに注意が必要です。

しかし、関係者の尽力もあって知識の普及や指導が功を奏してきてもいます。
お菓子等をみても歯の健康に留意した商品も多く販売されており、いたるところで歯に関する情報を見聞きします。
文部科学省が毎年発表している「学校保健統計調査」によると食生活の変化や予防技術の向上、歯科を初め学校での教育などのおかげで虫歯が減少してきているというデータが出ています。
しかし、高校を卒業するまでに一度は虫歯になる児童・生徒が大半であり歯の先進国であるアメリカや北欧にくらべるとまだまだ意識の徹底がなされていないことになります。

虫歯に大きな影響を及ぼす素因としては口腔内清潔かどうかということがあります。
歯磨きがきちんと行われていない場合、食べかすが溜まっていると細菌が食べかすをもとにして酸をつくり、歯をう蝕することになります。
もう一つ、唾液が出やすいかということがあります。
唾液には酸を減らす性質があるのですが、唾液の量や質は遺伝性の要素もあります。

このようなことを念頭に置き、に注意を払い、いつまでも自分の歯でしっかりと噛んで食事を楽しみたいものです。